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汗が止まらない!?多汗症の原因と症状、対策方法

止めたくても止まらない汗に困っている人は意外と多く、厚生労働省の研究チームによると、日本人の約7人に1人は汗が多い「多汗」を自覚しているようです。

手がいつもしっとりと濡れているだけでなく、大量の汗にノートやプリントが濡れてしまったり、1日中タオルが手放せない、という方は多汗症かもしれません。

あまりにも症状がひどいと、日常生活に支障をきたします。

よく汗をかくけど汗っかきなのかな
病的に汗が出るんだけどやばくない?
などのように、自分は多汗症なのか心配な方は、多汗症を知ることからはじめてみませんか。

多汗症の症状や、そもそも汗が出るメカニズムや多汗症の原因、対処や治療法をみていきましょう。

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多汗症とは

多汗症とは、手の平や足の裏、ワキ、顔や頭などから大量に汗をかいてしまう症状です。

症状の強弱はひとによってさまざまですが、強く症状が出ると、汗が原因でパソコンやスマホが壊れることも
このような重症の多汗症患者は、全国に80万人以上いるといわれています。

多汗症で実際に困ること

  • 手汗でノートや書類が湿って染みができる
  • テストの答案用紙が手汗で破れてしまう
  • 脇汗がひどくて他人の目が気になる
  • 汗が気になると余計にひどく汗をかいてしまい止まらない
  • 握手は相手が不快になるのではと思ってできない
  • まわりから「気持ち悪い」と思われてそうで人間関係がうまくいかない
  • 足汗がひどくてサンダルがすべる
  • 水虫になりやすくなった
  • 家のフローリングがすぐ汗でベトベトになる
  • 顔の汗で化粧が崩れる
  • 髪の毛が汗でびしょびしょになってしまう
  • 汗のニオイが気になって人の近くに行きたくない
  • 汗で下着や服が黄ばんでしまう

このように、汗が原因で、本人にとってつらく、困ったことが多くでてきます。
なかでも、手のひらの多汗症は、もっとも日常生活に支障をきたしやすいといえるでしょう。

多汗症の人は、思春期がはじまる10歳前後から中高年まで幅広い世代にいます。

子どものころから多汗症の症状があると、消極的な性格になったり、集中力が低下してしまい、いじめや引きこもりになるケースもあるようです。
大人でも対人恐怖症や、うつ病になってしまうことも。

ただの「汗かき体質」と思い込むのではなく、適切に治療を行いましょう

多汗症は大きく分けると2種類

多汗症を大きくわけると2種類に分かれます。

ひとつ目は、多汗の症状が出る病気が原因のケースです。
これは「続発性多汗症」と分類され、根幹にある病気の治療を行うことで、多汗症が軽減されます。

ふたつめは、病気のような明らかな原因がわかっていない「原発性多汗症」です。
このケースは、本人にとっても原因がわからないため、長い年月悩む方が多いといわれています。

汗が出るメカニズム

そもそも、なぜ汗が出るのでしょうか。
汗を出す「汗腺」は「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、それぞれ特徴や違いがあります。

エクリン腺は体温調節

エクリン腺は、主に体温調節を行うため、成分の99%は水分でできています。
サラサラしており無臭ですが、放置して皮ふにいる常在菌が汗を分解すると、ニオイが発生するのです。

エクリン腺は、体じゅうの表面全体にあり、とくに手や足、ワキや額に集中しています。
人間には200~400万個のエクリン汗腺があり、そのなかで汗を出せるのは150万個程度。
体温が上昇すると、体温を調節するために自律神経の「交感神経」が、汗腺に指令をだすため汗をかくのです。
これが「温熱性発汗」や「運動性発汗」といわれています。

汗腺は交感神経に支配されているため、体温があがっていなくても、緊張やストレスで交感神経が刺激されると、汗が出てしまう「精神性発汗」があるのです。
いわゆる「冷や汗」もこれに含まれます。

アポクリン腺はフェロモンなどのニオイ

アポクリン腺は、体温調節の役割はありません。
異性をひきつけるフェロモンや、動物でいう縄張りのニオイを分泌するためにあるといわれています。

興奮をしたときに出るアドレナリンの影響を受けると考えられているので、強い感情の変化があると分泌されるのです。
哺乳類の芳香腺が退化したものといわれており、赤ちゃんや子どものころは発達しません。
思春期以降に発達する汗腺です。

エクリン腺とは違って全身にはなく、ワキ・乳首・陰部・肛門・耳の中・へそなど、特定の場所に存在しています。

エクリン腺がほとんど水分でできているのに対して、アポクリン腺はたんぱく質や脂質が多く含まれており、栄養豊富です。
そのため、細菌の格好のエサとなり、強烈なニオイを発します。
これがワキガです。

「多汗症=ワキガ」ではない

多汗症のほとんどは、エクリン腺から出る汗です。
汗をかいたあとに放置をしていると、ニオイは発生しますが、こまめに拭けば臭いません。

多汗症で手のひらに汗をかいていることを、ワキガと勘違いしているケースもあるようですが、まったく違います。

ワキガはアポクリン腺から出る汗が原因のため、治療法や対処法も異なるのです。

多汗症の原因は?


多汗症はふたつあり「続発性多汗症」は病気が原因です。
しかし、もうひとつの「原発性多汗症」の原因は、はっきりと解明されていません。

とはいえ、現状で考えられている原因を紹介します。

(1)病気が原因

病気の症状として多汗の症状が出る「続発性多汗症」のケースがあります。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や、自律神経失調症、糖尿病、急性リウマチ、結核、がん、脳梗塞や事故などによる脳のダメージなどが原因になることがあるのです。

多汗の症状があった場合、まずはなんらかの病気でないかを疑ってみましょう。
この場合は、病気が完治すれば多汗症も治ります

また、農薬など薬や化学物質の中毒症状で、多汗の症状があらわれることもあるようです。

(2)ホルモンバランスの乱れ

脳の視床下部で、ホルモンの分泌はコントロールされています。
視床下部は、ホルモンだけでなく自律神経もコントロールしているため、ホルモンバランスが乱れると、自律神経のバランスも乱れてしまうのです。

そのため、交感神経に刺激を受けて、多汗症になることがあります。

更年期障害も、ホルモンバランスが乱れることでおき、そのひとつの症状が多汗症です。
更年期障害の多汗症は「ホットフラッシュ」とよばれ、暑くないのにのぼせたり、汗をダラダラとかいてしまう症状が特徴といわれています。

(3)ストレスや緊張・不安などの精神的なもの

多汗症は、精神的な問題の影響を受けやすいといわれています。
とくに、強い緊張や不安などで恐怖を覚えると、一気にドバッと汗をかくことから、多汗症は「発汗恐怖症」と呼ばれることもあるのです。

ストレスや緊張・不安などを感じると、自律神経は交感神経が優位になります。
そのため、汗腺が活発になり「精神性発汗」として汗をかいてしまうのです。

交感神経が敏感な人ほど、多汗症になりやすいといわれています。

(4)生活習慣の乱れ

食生活や生活習慣の乱れが、多汗症を引き起こすケースもあります。

とくに、肥満体型になっている場合は、皮下脂肪が断熱材のようになり、からだの熱が体外に出にくくなっています
そのため、体温が上がりやすく、大量に汗をかいて体温調節をしようとするのです。

また、喫煙をするとニコチンが体内に取り込まれます。
ニコチンは交感神経を活発にする働きがあるため、汗をかきやすくなるのです。

食生活でも、食べる内容によっては交感神経に影響をうけます。
コーヒーやエナジードリンク、チョコレートに多く含まれる「カフェイン」や、塩分や脂質の多い食生活を続けていると、交感神経に異変が起こるため汗は出やすくなるのです。

(5)遺伝もある?

専門家たちの間では、遺伝が直接的な多汗症の原因ではないといわれていました。

しかし、自律神経のバランスを崩しやすかったり、怒りっぽい性格だったりするような遺伝は、間接的ながら可能性があります。
赤ちゃんのころから多汗症の場合などは、遺伝の可能性を否定できません。

このことから、どのような遺伝かは解明されていないものの、遺伝子との関係性があるのではないかと考えられています。

原因がわからない「原発性多汗症」

原発性多汗症は、多汗症の原因となる病気がないケースの多汗症のことです。

原因の病気があれば、その病気を治療すれば多汗症も治りますが、原因がないため根本的な治療ではなく、対処療法として汗そのものをなんとかするしかありません。

ひょっとして多汗症?セルフチェック

多汗症かどうか不安な方は、下記のセルフチェックをしてみましょう。

  • 多汗の症状で、日常生活がさしつかえる
  • 家族が多汗症だ
  • 寝ている間は、汗が止まる
  • 週に1回以上は、大量に汗をかく
  • 左右対称、同じ部分に汗をかく
  • 初めて多汗の症状が出た年齢は25歳以下

いつも汗をふくためにタオルが手放せなかったり手汗で紙がふやけたり破れたりするようであれば、日常生活にさしつかえていると考えてOKです。
ほかにも、汗染みが気になって着たい服を自由に着られないケースや、汗が気になるあまり人間関係がうまくいかないケースも日常生活にさしつかえているといえます。

上記が当てはまるようであれば、医療機関で相談しましょう。
多汗治療は、主に皮膚科や、多汗症外来などで行われています。

多汗症の種類は部位別


多汗症の種類は、汗をかく場所によって分類されます。

顔や頭の多汗症:頭部・顔面多汗症

顔は他人の注目を集めやすい部分のため、人目が気になり、大きな悩みになりやすいのが特徴です。
悩みが深くなりすぎると、対人恐怖症やうつになる可能性があるため、早めの治療を行いましょう。

青年期に発症する方が多く、日本人の4.7%が発症しているといわれています。

多汗症自体の男女比率は同じくらいですが、頭部・顔面多汗症は男性のほうが多いという統計があります。

頭部・顔面多汗症は病気が原因のもの以外では、不安や緊張、継続するストレスなどの精神的な要因が多いようです。

ワキの多汗症:腋窩多汗症(えきかたかんしょう)

ワキ汗びっしょりになってしまう、ワキの多汗症は2011年(平成23年)度に厚生労働省 難治性疾患克服研究の特発性局所多汗症研究班がまとめた全国疫学調査によると、日本人の5.3%いるといわれています。

思春期から青年期に発症することが多いようです。

脇の制汗剤や、脇汗パッドで対策しやすいとはいえ、それでは間に合わないような大量の汗は精神的につらくなります。

手の多汗症:手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)

手のひらは、汗腺がもっとも密集している部分です。
幼少期~思春期に発症することが多く、緊張がきっかけで大量に汗を出すケースが多いといわれています。
日本人の4%程度が、経験しているようです。

手の多汗症は3つのレベルに分けられます。

  • レベル1:光があたると手汗が光って見えるが、パッと見てはわかりにくい。
    しっとり湿っている程度。触ると汗ばんでいることがわかる。
  • レベル2:見た目で水滴がついていることがわかる。
    いつも手のひらが濡れている状態。
  • レベル3:見た目で水滴がハッキリとわかる。
    手汗が水滴となってしたたり落ちる状態。

レベル2・3になると、日常生活に支障をきたします。
手で触れたものが濡れてしまったりスマホなどのタッチ操作するものが反応しないなどの弊害があるので、多汗症の治療を考えたほうがよいでしょう。

足の多汗症:足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)

足の裏は、通常で1日コップ1杯分程度の汗をかくといわれています。
さらに多くの汗をかくことで、蒸れやすくなり、足のニオイがきつくなることが、足の多汗症において大きな悩みにつながるようです。

逆にいうと、ニオイさえ対策できれば、足の多汗症はほかの部位と比べると、大きな問題がないといえるでしょう。
しかし、サンダルが足で滑るなど、危険なケースもあります。

手と足の多汗症:掌蹠多汗症(しょうせきたかんしょう)

手のひらと足の裏、両方に症状が出る多汗症を、掌蹠多汗症(しょうせきたかんしょう)といいます。

多汗症の治療方法

多汗症の治療は、病気が原因なら、完治すれば症状が収まります。

病気が原因ではない「原発性多汗症」の治療は「対処療法」となり、主に「汗そのもの」にアプローチする治療方法を行います。

(1)塗り薬「塩化アルミニウム」を使う

塩化アルミニウムの塗り薬は、多汗症の治療によく使われます。

汗に含まれる水分や、皮ふの細胞と塩化アルミニウムが合体して、汗腺を防ぐ「栓」になり、発汗を抑えるという仕組みです。

汗腺にフタをするだけなので、根本的な解決方法とはいえませんが、手軽に多汗症の症状を一時的に抑えらるひとつの方法です。

  • 開始から効果が出るまで:数日~2週間程度で少しずつ
  • 1回の使用で得られる効果:効果が出てからは数日~5日程度
  • 塗る頻度:週に1~2回
  • 費用:平均すると100gあたり1,000円前後(1回2~3gを使用すると1週間~10日ほど)
  • 考えられる副作用:湿疹やかゆみ

病院だけでなく、美容サロンでも処方される塗り薬なので、比較的入手しやすい塗り薬です。
医療機関への診察費用は、保険適応になりますが、薬代は保険適応されません

脇へは直接塗りこみますが、手足の場合で多汗症の程度がひどければ、布手袋や靴下に塩化アルミニウムをしみこませて、ビニール袋などで覆ってしっかり染み込ませます。

(2)内服薬「抗コリン剤」

多汗症の症状を抑える飲み薬として、抗コリン薬を使用することがあります。

抗コリン剤は、交感神経から汗を出す命令を伝達する「アセチルコリン」という物質のはたらきを抑える働きをします。
つまり「汗を出す」という指令をカットするため、気になる部分だけでなく、全身の汗腺から汗が出にくくなるのです。

  • 服用から効果が出るまで:30分~1時間ほど
  • 1回の使用で得られる効果:効果が出てからは4時間程度
  • 飲む頻度:どうしても汗を抑えたいときのみ
  • 費用:プリバンサイン内服薬(80錠)で900円(約1か月分)
  • 考えられる副作用:のどの渇き・便秘・尿が減る・目のかすみ・痴呆症の進行(研究段階)

薬自体は保険適応されるため、診察費と薬代だけで済みます。
しかし、飲み薬なので、継続することで副作用はでやすいといえるでしょう。
そのため、最近ではあまり使用されなくなりました。

また、抗コリン剤の効果としてデータ不足という背景もあり、皮膚科医に向けた多汗症ガイドラインでも、抗コリン剤は出てきません。

使用する際は、どうしても汗を止めたいときの1時間前に飲むなど、限られたシーンだけに限定して使用するとよいようです。

参照元:日本皮膚科学会ガイドライン 原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版

(3)漢方で体質改善

多汗症は漢方による治療が注目されています。

漢方は体質改善を目指すことができるだけでなく、多汗症によって落ち込んだ精神状態の改善にも効果があるようです。

西洋薬のように一律に同じような治療が行われるのではありません。
漢方は、多汗症だけでなく、さまざまな体の症状に合わせてオーダーメイドの治療が行われます。

そのため、効果や費用、かかる時間などは個人差があります。

(4)電気治療「イオントフォレーシス」

水を入れた容器に電流を流し、手や足を20分ほど、その水に入れる電気治療を「水道水イオントレフォーシス治療」といいます。

電気を水に流すことで発生する「水素イオン」が、汗腺そのものを小さくして、汗を作りにくくできるのです。

  • 使用から効果が出るまで:週1~2回の使用で徐々に効果があらわれる
  • 1回の使用で得られる効果:数日~1週間程度
  • 治療頻度:週1~2回程度
  • 費用:保険適応で自己負担が700円ほど
  • 考えられる副作用:なし

手や足の多汗症治療に、とても有効な治療法です。
副作用がなくて、安全な治療ですが、治療をやめると症状がぶり返すため、継続して治療を行う必要があります

電流を流すため、ペースメーカー使用者や妊婦、体に金属を埋め込んでいる方は、イオントレフォーシス治療を行えません。

通院が難しい場合は、ドライオニックという家庭用の治療器を購入すると、自宅でイオントレフォーシス療法と同じような治療を行えます。

(5)「ボツリヌス菌」の注射

A型ボツリヌス菌の毒素を、多汗症の気になる部分に注射する治療方法です。

交感神経から汗を出す命令を伝達する「アセチルコリン」という物質の働きや、筋肉の収縮を抑えてしわを伸ばすことで、エクリン汗腺の働きをブロックします。

  • 使用から効果が出るまで:治療後2~3日後
  • 1回の使用で得られる効果:3~6か月程度
  • 治療頻度:3~6か月に1回(1年に1~2回)
  • 費用:クリニックによって2~10万円以上と差がある
  • 考えられる副作用:倦怠感・しびれ・不快感・腕の重量感・ほかの部分で汗をかく

美容クリニックは自由診療となるので、保険適応されません
費用は両脇で7~10万円前後と、高額です。

しかし脇の多汗症のみは保険が適応されます。
保険診療機関で脇ボトックスを受けると、3割負担となるため約2~3万円で治療を受けることができます。

(6)「交感神経を切除」する手術

交感神経を切除する手術は、最近の多汗症治療として、一般的な方法です。

「ETS手術」や「胸腔鏡下胸部(きょうくうきょうかきょうぶ)交感神経遮断術」といわれ、多汗症を完治できる手術として注目されている方法です。
手術は皮膚科ではなく、胸部外科や呼吸器科で行われます。

  • 手術にかかる時間:1時間程度
  • 入院日数:日帰り手術
  • 費用:保険が適応されれば7~10万円ほど
  • 考えられる副作用:代償性発汗

手術は交感神経を切除するため、再発率は1~5%と極めて低いことが特徴です。
この手術における効果は、半永久的ともいわれています。

しかし反面、副作用として手術した部分以外から、汗が出てくる「代償性発汗」がかなりの高確率でおこります
たとえば、手汗の手術は成功したけど、その代りに背中や足、お腹や太ももから大量の汗が出るということです。
この副作用は、個人差が多く、あまり気にならない程度の方もいれば、生活に支障をきたすほどの代償性発汗がある方もいます。

手のひらの多汗症の場合は、保険適応されます。

(7)「超音波」で汗腺を破壊する手術

「ミラドライ」ともいわれ、超音波で汗腺を破壊し、汗腺そのものを吸引する手術法です。

メスを入れないため、手術痕がわかりにくく、術後の痛みは小さいのがメリットといえるでしょう。

  • 手術にかかる時間:1時間半程度
  • 入院日数:日帰り手術
  • 費用:25~35万円ほど
  • 考えられる副作用:アポクリン汗腺の取り残し、超音波によるやけど

超音波手術は、保険が適応されないため、高額なことがデメリットといえます。

また、吸引する方法のため、汗腺をすべて消滅できるとはいいきれません
手術リスクは低く理想的かもしれませんが、より完璧な手術を求める方には、満足できない可能性があります。

(8)「神経ブロック」注射による治療

もともとは痛みを軽減するための注射ですが、多汗症の症状をやわらげる効果があるといわれています。
最近では、あまり行われていない治療法です。

治療の流れは?

このように多汗症の治療は、さまざまですが一般的な治療の流れは、部位によって異なります。

皮膚科医向けのガイドラインから、治療の流れをみてみましょう。

頭部・顔面多汗症における治療の流れ

引用元:日本皮膚科学会ガイドライン 原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版

頭部・顔面多汗症の診断をされたら、塗り薬と内服薬で治療をします。
その後、あまり改善しなければ、ボツリヌス菌の注射、重症の多汗症だと交感神経の切除手術となります。

ボツリヌス菌・交感神経の切除手術は、保険対象外です。

顔や頭の交感神経切除手術は、代償性発汗がかなりの高確率でおこるため、リスクをしっかり知っておく必要があります。
必ず、医師に確認しましょう。

ワキの多汗症における治療の流れ

引用元:日本皮膚科学会ガイドライン 原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版

ワキの多汗症は、まず塗り薬で治療を行い、その経過を医師が判断して、ボツリヌス菌の注射をします。

ワキのボツリヌス菌治療は、保険適応となっています。

手の多汗症における治療の流れ

引用元:日本皮膚科学会ガイドライン 原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版

手の多汗症は、塗り薬やイオントレフォーシス治療を行います。
イオントレフォーシス治療は、手の多汗症にとって、とても有効な治療法です。

経過や重症度によって、ボツリヌス菌治療や、交感神経を切除する手術を検討します。

手の多汗症において、ボツリヌス菌治療は保険適応外ですが、交感神経を切除する手術は保険適応されます。

足の多汗症における治療の流れ

引用元:日本皮膚科学会ガイドライン 原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版

足の多汗症は、イオントレフォーシス治療がもっとも推奨されています。
併用して、塗り薬も行うケースもあるようです。

その経過をみて、ボツリヌス菌治療を行うこともありますが、足の多汗症におけるボツリヌス菌治療は保険適応外です。

それでも改善されない場合は?

これらの治療で、多汗症が改善されないケースもあります。

多汗症は、多くの部分が謎に包まれています。
もしも、ストレスや緊張、環境の変化などがきっかけで多汗症の症状が出ているのであれば、心理療法をするのも効果的といわれています。

また、多汗症によってうつなどになり、精神的な苦痛を感じているケースも心理療法が大切になるのです。

自律神経のバランスをとるための、抗不安剤には抗コリン作用がある薬もあるので、心のバランスをとりつつ、多汗症の症状をおさえていける場合もあります。

多汗症はひとりで悩まないことが大切

多汗症は、原因がハッキリしていないことも多く、ただの汗っかきと思ってしまいがちです。

しかし制汗剤などを使用しても、日常生活に支障をきたすようであれば、医師に相談し、適切な治療をうけましょう
同時に、漢方などで体質改善を行っていくと、よいようです。

多汗症の手術を考える場合は、費用や副作用、後遺症などの説明をしっかり受ける必要があります。
信頼できて技術のある医師を探して、納得のいく手術を行いましょう。

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